※出典:加治木義博:言語復原史学会
KKロングセラーズ ムックの本
ジンム・プロブレム
真説:日本誕生 卑弥呼を攻めた神武天皇
1~19頁
写真:唐古の楼閣図土器は畿内説に有利か?
唐古の楼閣図土器は畿内説に有利か?
帯方郡使は二度来たが、どちらも伊都国までしか来なかった。
梯儁は伊都国でヒミコと合い、宮室・楼観を目撃した。
その遺跡は佐賀県の牛津付近にある。
畿内説も伊都国は九州の中だと認めている。
伊都国にあった楼観と奈良県とは、
地理的にみて全然、無関係である。
では吉野ヶ里だったか?いや「邪馬壹国」は、
その後、伊都国よりもさらに
[南]の[水行十日・陸行一月]の遠方の土地へ遷都している。
牛津より北にあって、近くて、
水行できない吉野ヶ里では絶対にない。
では唐古遺跡はだれのものか?本書ではそれも明らかになる。
「はじめに」
戦後、私(加治木義博)はずっと関西に住んで活動してきた。
大阪府民大学の講師や文化財審議委員として
20年以上も前から古代日本の真相について、
広い地域やテレビでお話ししてきた。
そのあいだにこんな面白い体験をした。
講演のあとの座談会で、ある中学生が、
私の話を聞きにいこうとお母さんを誘ったら
「神武なんか知らんでも、死なへんワ」と言ったというのである。
私は「君はどう思うの?」と聞いてみると、
「歴史は面白いけれど、それだけのもので、
受験にも役に立たないし、
お母さんの言うことは一理あると思う」と言ったのである。
私は、今これをお読みの読者の中にも、
この親子と同じような考えの方が多いかもしれない」と
思うとゾツと恐怖が走る。
これを「まえがき」に書くことにした。
それは私が第二次世界大戦中に小学校の教員をしていて、
自分も飢え、
小さな生徒もおなかをすかせて苦しんだ悲惨な体験があるために、
この[神武問題]は、今、日本人として、
どうしても知っていなければならない
重大な常識であることを痛感しているからである。
私たちが飢えに苦しんだ戦争はなぜ起こつたのだろう?
若いみなさんにはチンプンカンかもしれないが、
そのときの「大義=戦争スローガン」は[八紘一宇]だった。
それは「日本は世界を一軒の家のようにするために戦う」
という意味である。
これが神武天皇が唱えた日本の永遠の理想だというのである。
それは今でいえば世界連邦にあたり、
国境と戦争のない理想的な世界のことだと思って
、国民は「理想に燃えて」ガマンにガマンを重ねていた。
決してバカだったから、政府にだまされていたわけではない。
しかし現実は、そんなに、甘くはなかった。
そのスローガンは次第にきびしくなって、
最後は「現人神(アラヒトガミ)、
天皇陛下のために…世界を敵として戦い…
神国日本を守り抜く…」という、
最初の[大義]とは正反対の、
一見悲壮だが実は天皇に全責任をなすりつけた、
卑怯きわまるものにスリかえてしまった。
だがもともとその[大義]とは、
日本人を[戦争という極悪の道]に
ムリヤリ引きずりこむために
[発明]されたものだったのである。
その発明者は伊藤博文である。
彼は日清戦争用に日本歴史を改造し、
その[神国日本]とか[現人神・天皇]とかいう
考えを盛りこんだ[国定歴史]を御用学者らに作らせた。
日本人を戦争という人間にとって最もいやなものに駆り出して、
死んでも文句が言えないように、
コキ使う[屁理屈]の一つとして、
[歴史]を[活用=実は許せない悪用]したのである。
もっともそれは[西欧帝国主義]が、
日本も植民地にしようという野蛮きわまりない時代の、
やむにやまれぬ選択だったことも事実である。
欧州には伊藤以上のケタはずれに悪いヤツらが、
暴力で非武装国を「征服」して強奪した
他人の富で豪勢な宮殿を建てて住み「王だ、貴族だ」と自称して、
恥ずかしいとも思わなかった。
人類の超低級時代だったからである。
しかしそれを非難ずに、
自分もその悪魔らの仲間入りしようとして「作られた」歴史が、
今になって厄介きわまりないものになったのだ。
そうした思想は当然の結果として
「大日本帝国」を滅ぼしただけでなく、
手本になった西欧帝国や大国も、
大英帝国からソ連帝国に至るまで次々に滅ぼして、
残ったのはアメリカ帝国だけになったが、
それも超赤字国に転落し、
その費任を日本のせいにしようとヤッキになるほどの
末期症状を呈しはじめている。
そんなときに、明治の幼稚な学者らが大あわてで作った
「帝国政府御用達(ごようたし)の皇国史観歴史」が
そのまま手つかずで残っていると、どうなるか……?
それは日本人が「昔からの帝国主義思想の持ち主で、
武器に[経済]を使って、世界を征服しようとしている証拠だ。
経済・八紘一宇だ…」と
非難の口実にされることは目に見えている。
その結果は世界規模の「経済封鎖」に発展しかねない。
アメリカ主導の世界政治は、
口実さえあれば他国にどんどん制裁を加えているのだ。
極悪のCCC(クークラッククラン)がのさばるアメリカを、
紳士国と誤信して、
絶対に日本にはおハチは回ってこないと信じるのは
余程の大バカなのである。
神武問題は今や日本人にとって、
そうした[死活を分ける]大問題なのだ。
今、世界世論の先手を打って、
[神武問題]を徹底的に[真実の歴史]に戻し、
国民常識を完全に改めないと、
海外からの石油も食料も封鎖されて、電気もこず、
水道も出ず、医薬もつくれず、飢えて痩せ細って、
あのお母さんも、とても「死なへん」などとは
言えなくなるのである。
《神武天皇と崇神天皇が戦った!》
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