2013年2月16日土曜日
官軍の初代総裁・嶋津備後のお守り(4)
『Yahoo!天気・災害』
※出典:加治木義博:言語復原史学会
《官軍の初代総裁・嶋津備後のお守り》
「官軍の初代総裁・嶋津備後のお守り」
《スメル8千年》
「スメル8千年」240頁
「写真」偉大なる失恋の人・小松帯刀
小松帯刀は、こうしたことを熟知していた。
そして自分は「斉彬の分身」であることを強く意識していた。
だから彼の功績に対する褒賞は本来、斉彬が受けるべきもので、
彼が「私する」ことは恥ずかしいという信念の持主だったから、
すべて頑として断わり、一切受けなかったのである。
それは徹底していて、禁門の変のあと、
朝廷からの贈位もお断わりしたが、
もちろんそれが非礼にならぬように、
授位をご延期いただくという最善の方法を考案して実行した。
それをはっきりと自ら書き残した証拠が次の手紙である。
それが実物であることは彼以外書けない独特の深謀遠慮が、
息子に対する教訓も込めて、実に美事に表現されているので、
すぐ確認できる。
養子 小松申四郎あての手紙
朝廷 御一新之秋(のとき)ニ当リ
一身之不肖ヲ顧(かえりみる)
ニ暇(いとま)アラズ 不得止(やむをえず)。
勉勤(べんきん)いたシ候、
然処(しかるところ)
廿二日 従四位下トノ宣下ヲ蒙(こうむ)リ、
誠ニ当惑至極ニ而(て)、
直様御断申出(すぐさまおことわりもうしいで)候、
心得之処、 論言如汗之(りんげんあせのごとし)
訳モ有之無拠一往者(これありよんどころなくおうは)退去、
熟々(つくづく)、及勘考(かんこう)、
万々不当之事ト相考(あいかんがえ)、
御請(おんうけ)之処。
御猶予相願候而(あいねがいて)、
御書付者(かきつけは)弁事局江(へ)
御預ニ相成先冷一事成共(あずけあいなりまずひとことなりとも)、
仕合之至(しあわせいたり)ニ候
これを現代語に訳すと次のようになる。
「朝廷による明治の御一新で、
王政復古が実現した、
お目出度い時に生まれ合わせて、
出来の悪い自分をかえりみる余裕もなく
懸命にお勤めしているが、
朝廷から、廿二日に、
従四位の下に叙するというお達しを戴いたが、
自分はそんな高位を戴く値打ちはないので、
お受けするかどうか思い悩み、
すぐお断わり申し上げようと思ったものの、
『汗が一度、
体外に流れ出ると絶対に体内に戻せないのと同じように、
天子様の御下命もまた、もとにお戻し戴くことなどできない』
という古来の鉄則もあり、ご変更はお願いできないので、
よんどころなく一応退出して、
よくよく考えてみたものの、
どう考えても私には分不相応なので、
御授位をしばらくお待ちいただくようお願いしたところ、
では書類はしばらく弁事局御預りとする、
ということにしていただいた。
これで一つではあるが問題が片付いて、
まずは幸せと、ほっとしている」
この文面でわかるように、帯刀の遠慮は、
今の世間一般の遠慮とは性質がちがう。
それをお話しておこう。
彼は平家の子孫である小松家の「入り婿」になったのだから、
源氏の頭領である頼朝の直系である嶋津家に遠慮して、
本来は当主である嶋津備後が受けるべき褒賞を、
いったん死んだものとして葬儀を出した虎寿丸が、
いかに功績があったからとは言え、
このまま直ちに高位につけるわけにはいかないという横槍が入って、
沙汰やみになったために、
それでは嶋津藩家老として功績のあった
小松に与えよということになった。
朝廷の内々の事情もよく知っており、
こうなるだろうという予測をしていたから、
彼に対する叙勲が伝えられたその廿二日には、
直ちに「延期お願い」という、
唯一の手段をとる完全な即応ができたのである。
けっして急場の思いつきで延期を願い出たわけではなく、
私たち備後の一族は、
彼の口から直接伝えられた「詫び」として、
これだけのことを知り、
よく理解しているのである。
これは小松帯刀を正しく評価し、
語るためには、欠けてはならない史実である。
123 小松帯刀が褒賞を断わり続けた理由
《松帯刀が褒賞を断わり続けた理由》
「松帯刀が褒賞を断わり続けた理由」
『参考リンク』
《古代オリエント》
「古代オリエント」
《古代メソポタミア》
「古代メソポタミア」
《シュメール・シュメル》
「シュメール・シュメル」
《ウバイド》
「ウバイド」
《倭人(ウワイト)》
「倭人(ウワイト)」
《魏書倭人章》
「魏書倭人章」
《日本書紀・古事記》
「日本書紀・古事記」
《三国史記・三国遺事》
「三国史記・三国遺事」
『My ブログ』
古代メソポタミア
歴史徒然
ウワイト(倭人):大学講義録
ウワイト(倭人)大学院講義録
オリエント歴史回廊(遷都)
古代史つれづれ
古代史の画像
ネット歴史塾
古代史ブログ講座
ネット歴史塾
ひねもす徒然なるままに
「終日歴史徒然雑記」
「古代史キーワード検索」
『特定非営利活動法人森を守る紙の会: NGO-SFP』事務局長:金原政敏
《参考ブログ》
古代時代の考古学の最新発見・発表・研究成果
最新の考古学的発掘の方法
存在価値が問われる我が国の発掘考古学の現状
装飾古墳
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿