※出典:加治木義博:言語復原史学会
日本国誕生の秘密 60~62頁
㈱徳間書店
その卑弥呼系の倭人連邦は、中心に黄、東に青、西に白、南に赤、北に黒の五色をもつ鳥獣をトーテムとする後世の「四神」の原型を、統治の単位にしていました。
そのままの地名がセットになって今も南九州から四国、中国地方、近畿へかけてかなり残っていますので、私はそれらを「五彩圏連邦」と名づけて研究を重ねてきました。
それは本来、ギリシャを中心にして生まれた統治形態であり、その当時の地中海文明の遺跡のある地域は現在も東に「青=オマーン」、西に「白=シラクサ」、南に「赤=アカイヤ」、北に「黒=クロアチア」という国や地域が実在しています。
この名がみんな日本語の色の名と同じであることに、よく心をとめてご注目ください。
これと同じものが日本にもみられます。
一例は東に青=オオワ(大和)、西に白=シラギ(新羅)、南に赤=アケイ(安芸=高知)、北に黒=クリ(高麗・句麗)という国や地域が実在していることです。
卑弥呼のころに、こうした言語や統治方法だけが伝わるということはありませんから、当時の統治者がギリシャから来た人々だったことは疑うことができないことになるのです。
このことも卑弥呼たち天照大神がギリシャ系の白人で金髪だったことの強力な証拠の一つといえますし、シロ・シラという発音の「新羅」人が、その人々の国をさす名であることも、すぐおわかりになると思います。
「地図:九州五彩圏」
カラ=黒
韓
│
平戸─── 基肄 ─── 大分
ヒラ=シラ=白 キイ=黄 オオ=青
│
明宮
アカイ=赤
大島
オオ=淡
∥
アワ
∥
阿和=アカ
∥
赤
壹與はその新羅の始祖王で「赫居世」と書かれますが、カグヤ姫も漢字では「赫夜姫」と書きます。
「夜=ヤ=ィョ=居世」で、少しの発音差しかありません。
こうしたことを記録している『記・紀』も『三国史記』も真実の記録をたくさんもっている貴重な史料だということが、これでよくおわかりいただけたと思います。
ここに挙げた新羅が朝鮮半島に移動したのは、壹與が死んだあとだいぶ経ってから、4世紀のことです。
とうぜん壹與の時代には新羅はまだ九州の中にありました。
ですから「五彩圏連邦」は拡大しながら西から東へ移動して、5世紀半ばの「倭王・興」、の名乗りが「河内」を意味するので、そのときやっと東の端が近畿にとどいたという記録になっています。
ですから卑弥呼の3世紀には、まだ出発点である沖縄からあまり遠くない九州地域に都していたことは考えるまでもありません。
卑弥呼の都を語るのなら、こうした基礎的な知識からまず先に身につける必要があります。
江戸時代初期の素人説から一歩も出ない頭では、とても知性の高い読者を納得させられるような正しい報道はできないと思います。
話が少し固くなって肩が凝ったのではないでしょうか。
それをほぐすために、ちょっとヘタな(?)詩をつけ加えさせていただきます。
これは使いようでは記憶を呼びさますメモリーがわりに、また、あなたを遠い昔のロマンと夢の世界へ、お誘いするよすがにもなればと思っています。
『検索』
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
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