※出典:加治木義博:言語復原史学会
日本国誕生の秘密 46~48頁
㈱徳間書店
桃太郎と、浦島太郎と、かぐや姫の三大おとぎ話は、これまで別々の独立したお話だ、と誰もが思っていましたが、その「真相」はこのように、一番最初にお話ししましたように、三つとも一連の事件で、一人の有名な主人公の歴史物語だったのです。
その有名な人物とは、今の学校では教えない「神武天皇」こと、これまでお話しした「位宮」の体験した、小説もかなわないような波乱万丈の実話だったのです。
神武天皇はこれまでずいぶん誤解されてきましたが、それは研究がゼロに近かったからです。
調べてみると神武天皇当時の日本人は、今の私たちとあまりちがわない常識をわきまえた人々であり、私たちとほとんど変わらない考え方の、つきあいやすい人々でした。
そしてこの初代天皇が、人並みすぐれた知恵と勇気の持ち主だったこともよくわかりました。
しかし今でも現実の世界は、私たちの理想とはちがって、血なまぐさい争いや醜い泥棒たちで満ちあふれています。
古代には古代なりに、どうしても争い戦わねばならない事情がありました。
それを理解してこの神武天皇の体験をみると、彼はちょうどシユワルツエネッガーが演じる「コナン」のような「勇士」だったというしかありません。
当時は国境があるようでいて、実はないに等しい時代でした。いや、国境どころか国そのものでさえ、支配者も国のサイズもネコの眼のようにくるくる変わる時代でした。
周囲は皆のこらず敵といった、そんな時代に、彼は超大国・中国と隣り合った小国の王になるという苛酷な運命のもとに生まれたのです。
しかもそのときは、その超大国・中国が、歴史の前にも後にも例のない大動乱時代でした。
一つだった国が三つの超大国に分裂して、互いに統一政権を手にしようと、血で血を洗う激戦を繰り返した時代だったのです。
だから彼はコナンのように、いやそれよりもはるかに大きな勇士として行動するしかありませんでした。
だが、超大国相手に小さな国の王が、どんなに頑張って戦ってみても勝ち目は最初からありません。
まして彼を攻めた相手は、あの名将・諸葛孔明を倒した直後の、血に飢えた魏の軍隊だったのですから、彼が敗れることは前もって誰にでもわかるほど、「決定ずみ」のことだったのです。
それでも彼は敵を歯噛みして悔しがらせました。敵の将軍は彼が脱出したあと、やっと入城することができ、彼を討ちもらした口惜しさの余り、それを石碑に彫りつけて残したのですから……。
こうして神武天皇は、朝鮮半島の北端にあった国で戦って首都を失い、再起を賭けて脱出しました。
彼はもともと琉球を相続していたのですから、そこを目指しました。これが「竜宮=琉球」へ行った浦島太郎の真相だったのです。
「図」浦島太郎=桃太郎=神武天皇
この3つのイメージは、実は1人で、それがさらに幾人にも分裂してしまった
それがスサノオ、神武、垂仁、山幸彦などだが、位宮という「三国志」の記事が一番古い記録。
『検索』
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
0 件のコメント:
コメントを投稿