出典:加治木義博:言語復原史学会
邪馬臺国の言葉
コスモ出版社
161頁
「図:天翔ける船の発想」(加治木原図)
上2図は<ドンソン文化>の名で知られる
インド支那半島出土の銅鼓に書かれた船の絵である。
これはその羽状の多くの表現から天空を翔ける神と
その船を表現したものだとされているが、
下図の紀元前1500年頃のエジプトの船と比較して戴くと、
この両者が非常によく似ていることに気づかれると思う。
またその形だけでなくエジプトの船は
本来葦船だったものからの発展で
一方の端の扇状の飾りは葦を束ねた末端の名残りを
止めたものである。
そして銅鼓の船には明瞭に葦の束を結束した船体が
描写されている。
両者ともに見張台があり帆柱がある。
方向舵も同じものだといっていい。
唯一つ異なるのは一方は帆であるのに
一方は羽のようなものになっている点である。
しかしそれは共に風によって運ばれるものである。
天上の旅は帆よりも羽の方がより適切であるという発想は、
やはり帆を知るもののみが抱きうるアイデアである。
漕手が居ないことも注意を要する。
「図:銅鼓 漢代」(筆者所蔵)
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
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