2010年6月23日水曜日

原名と変型の証明


 出典:加治木義博:言語復原史学会
    『魏志倭人章』詳解1
    垂仁天皇の邪馬壹国
    62頁


 『魏書倭人章』と『記・紀』との

 官名・人名を比較するためには、本来、

 <中国の古音>で書かれていた名前を、『記・紀』編者らが

 (1) どう変型させてしまったか?。

 (2) なぜ変型させてしまったか?。

    徹底的に研究する事が最重要課題である。

    だが変型してしまったものを、

 (3) どうして元の名前が変型したものだと、

    判定することができるか?それが先ず

    大きな問題である。それには

 (4) 「原型と変型との間に共通する」ものを

    見つけ出すことが必要である。

 原型はカールグレンの古音が教えてくれる。

 卑弥呼は ピェグ ミャ ゴ

 伊支馬は ヤル チェ グマ  であるから、

 原型のままではとても『記・紀』のなかには

 見つかりそうにもないが、

 『記・紀』万葉が書かれた8世紀前後の日本で、

 盛んに使われていた<万葉ガナ>で読んでみると、

 伊支馬=イキマ=活目。

 弥馬升=ミマツ=観松。

 弥馬獲支=ミマカキ=御間城。

 といった調子にうまく合うことは、

 先にすでにみたとおりである。

 このことから分かったことは、

 『記・紀』の編者たちは、

 天皇たちの名を耳で聞き伝えて知っていたのではなかった、

 という重大な事実である。

 彼等はそれらの名を

 『魏書倭人章』と同じ当て字の「文字」で知った。

 だからそれを当時の知識で、

 <万葉ガナ>で読んでしまったとすれば、

 これで4つの謎はすべて答が出たことになる。

 (1) <万葉ガナ>読みに発音を変型させて、

    それに合う別の文字を当て字した。

 (2) <万葉ガナ>読みしたために、変型させてしまった。

 (3) 原名を万葉読みしたものと同じ読み方ができるから、

    同じ原名から蛮型したものだ、

    と判定できるので

 (4) の「共通するもの」は、<万葉ガナ>式発音だ、

    ということになる。


 『参考』

小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書

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