出典:加治木義博
日本人のルーツ
保育社:カラーブックス
<日本人のルーツ>-その探求の一方法-
加治木義博著
三味線は江戸時代に沖縄の三線(さんしん)から改良されたものとされてきた。
三本の弦をかき鳴らす楽器は世界中でも案外少なく、沖縄の向うの台湾、中国西南部、タイ、ビルマ、インドの一部、遠くとんでもモロッコにあるだけである。
タイの山地民族のうち、リス族のものは大小あり、大は三味線と、小は三弦と棹の長さがぴったり一致する。
アカ族のものは三線と一致して短い。
歌口(うたぐち)も三つの穴だけで最も原始的である。
その名前も始めは一つであったことがわかる。
リス語のスブーとシャミ。
カレン語のサンとサンシンは方言関係にある。
曲もアカ族の<かごめかごめ>、リス族の<安来節>そっくりのものや、沖縄の”赤馬踊り”と同じ歌や伴奏の「マググヮー」という踊りがある。
沖縄方言で「マググヮー」といえば「孫子(まごこ)」のことだが、リス族のそれも子孫の繁栄を祈るものである。
こうみてくると、三味線は江戸時代よりもはるかに古い時代に<かごめかごめ>の古謡や、<安来節>などの民謡と一緒に、日本へ入ってきていたことがわかる。
<写真>
1 三弦(台湾)
2 スブー
3 スブー
4 ジョカジョカ又はドンディユー
5 ジョカジョカ又はドンディユー
6 ジョカジョカ又はドンディユー
7 サン
8 スブー
9 三味線の棹(さお)
『参考』
『歴史の画像』
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小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書 『メソポタミア世界』
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