2010年1月31日日曜日

鋸歯文にはどんな意味があるか


 出典:加治木義博
    日本人のルーツ
    保育社:カラーブックス

    <日本人のルーツ>-その探求の一方法-









 鋸歯文とはノコギリの歯に似たジグザクや三角形の連続した文様のことで、写真のアカの鳥居の横木にも、京都の山鉾の車輪に、はめられた鉄輪にもそれが彫られている。

 アジア各地の遺物にも多くの鋸歯文が見られるが、それらは単なる装飾ではなくて、動かすことのできない信仰上の重要な意味をもっていたと考えられる。

 それはヒンドウ教ではピラミッド型がシバ神を逆三角形がズルガー女神を意味する象徴であり、遺物の多くは祭器であったことが確認されているからである。

 器物につけられたこうした文様は他にも渦状文(渦巻型の文様)や、それが植物のワラビのように伸び上がったワラビ手文、その連なった連渦(れんか)文、雷(らい)文などがあり、やはり信仰上のものとされている。

<写真>

 ●グエバ・アカの鳥居

 ●山鉾の車輪

 ●朝顔型埴輪

 ●蓋付土器:フィリピン

 ●鳥形装飾付香炉:中国江蘇省

 ●象頭土器:タイ 

 『参考』



 小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書 『メソポタミア世界』  

 
 


 歴史研究家「小嶋 秋彦」


0 件のコメント:

コメントを投稿