出典:加治木義博
日本人のルーツ
保育社:カラーブックス
<日本人のルーツ>-その探求の一方法-
古代人は自分たちと他の部族とを、はっきり見分けられるように、個性的な民族衣装を考え出し、それを固く守り続けた。
これはタイの山地民族などでは今なお見られる習俗である。
だからその外観や装身具などから、民族の正体や系統を探り出すことができる。
縄文人が遺した土偶の衣服スタイルを詳しく調べてみると、いろいろな民族的特徴が見つかる。
三角頭土偶と呼ばれたもののうち、最も写実的に優れた<3>をみると、それは<2>のエスキモー風俗に最もよく似ており、その三角帽のつながりは、チベットから中央アジアに広く足跡を残し、アイヌ人とよく似た顔立ちをもったスキュタイ(サカ)民族にまで及ぶのである。
<写真>
1 スキュタイ土偶(エジプト出土・紀元前5世紀)
2 エスキモー人形(カナダ)
3 三角頭土偶(茨城県出土・縄文後期・レプリカ)
4 ネパール・シャーマン像(現代)
5 チベット仏像(19世紀)
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書 『メソポタミア世界』
歴史研究家「小嶋 秋彦」
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