出典:加治木義博:言語復原史学会
異説・日本古代国家
㈱田畑書店
244~247頁
「推理力」というものが、
どれくらいの仕事ができるものであるか、
これでよくお解りになったと思う。
この本を手にされた時、あなたはすでに、
こうした内容について、
かなりの情報をもっておられた。
だから本書が解きあかした謎そのものについては、
かつて世界中の誰一人しらなかった本書の
出版当時ほど、驚いては居られないはずである。
しかし、その事実が、どんな風に証明され、
証拠立てられたかについては、
実際にここまで読み進まれるまで、
御存知であったとはいえないであろう。
少し極端に言えば、
まだ本当にのみこめない部分が残っているのではあるまいか。
一見無造作に見える程の、名前や言葉の比較から、
千古の謎が解けたのであるから、
まだ、その結果に、疑問がくすぶるのは当りまえだともいえる。
それを私が「真実ほど強いものはない」からだ、
といってしまえば、
「推理」する力を共に高めようとして書かれた
本書の目的とは一致しない。
それが何故であるかは、あなた自身で考えてみて戴きたい。
だが、その出発点を見つけるのに苦労する方もあると思えるので、
もう一度念のために、
名前やことばの復原が、ここでは、どう扱われたか、
をふりかえってみよう。
皆様のなかには「名前の復原」だけで、
謎がとけたように思っていらっしゃる方も、
あるかも知れないが、それは、
ただ手がかりを探すためのキッカケとして使われたに過ぎない。
もちろん、それは後から後からと見つかって行く
「証拠」によって組み立てられて行く
「証明」によって、後には「証拠」と見られるようになるが、
その時と初めとでは、
まるで性質の違ったものなのである。
こういうと、非常に、ややこしくお感じになるかも知れないが、
伝説の分布について申しあげたことを、
もう一度かみしめて戴きたい。
「図:人間と猿の仲間の系統図」
第三紀 始新世
370万年前
漸新世
広鼻猿
有尾猿
260万年前
中新世
ギボン
ドリオピテクス(オランウータン・チンパンジー・ゴリラ)
70万年前
第四紀 鮮新世
アウストラロビテクス(猿人)
ジンジャントロプス(猿人)
テラントロプス
ピテカントロプス①(原人)
シナントロプス(猿人)
20万年前
洪積世
ピテカントロプス②(原人)
ネアンデルタール(原人)
旧人
現世
人類
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
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