2010年3月1日月曜日

古代に民族は大移動したか

出典:加治木義博
    日本人のルーツ
    保育社:カラーブックス

    <日本人のルーツ>-その探求の一方法-

現代人は交通機関の発達に馴れて、足による長距離旅行は不可能だと思い込んでいる人が、わが国でも1世紀前までは旅は徒歩でするものと決まっていた。

だから交通機関のなかった古代人は、大規模な民族移動はしなかったと、思い込んでいるのは大変な錯覚である。

今から7000年前、メソポタミアで生まれた農耕技術は、彩文土器を中心にワンセットになった文化を、中国に広く普及するのに1000年かかっていない。

6000年前にオリエント人はすでに中国に移住し東西同じ文化が、その通路に分布していたのである。

これは大きな民族移動のあった動かぬ証拠である。

この彩文土器文化は農耕文化で、76ページにあげた10種類が常に複合しているのがみられ、これを最古の農耕文化とする学者もある。

こうした複合をワンセットになった文化と表現するのである。

<写真>

●ドルメン(史石墓)

●現存する彩文土器の作り手
(アメリカ・アリゾナ州ホビ族)

『参考』

小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書

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