出典:加治木義博
日本人のルーツ
保育社:カラーブックス
<日本人のルーツ>-その探求の一方法-
現代人は交通機関の発達に馴れて、足による長距離旅行は不可能だと思い込んでいる人が、わが国でも1世紀前までは旅は徒歩でするものと決まっていた。
だから交通機関のなかった古代人は、大規模な民族移動はしなかったと、思い込んでいるのは大変な錯覚である。
今から7000年前、メソポタミアで生まれた農耕技術は、彩文土器を中心にワンセットになった文化を、中国に広く普及するのに1000年かかっていない。
6000年前にオリエント人はすでに中国に移住し東西同じ文化が、その通路に分布していたのである。
これは大きな民族移動のあった動かぬ証拠である。
この彩文土器文化は農耕文化で、76ページにあげた10種類が常に複合しているのがみられ、これを最古の農耕文化とする学者もある。
こうした複合をワンセットになった文化と表現するのである。
<写真>
●ドルメン(史石墓)
●現存する彩文土器の作り手
(アメリカ・アリゾナ州ホビ族)
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
0 件のコメント:
コメントを投稿