出典:加治木義博
日本人のルーツ
保育社:カラーブックス
<日本人のルーツ>-その探求の一方法-
天孫族と呼ばれる人々が南九州に渡来した時、それを出迎えたのは猿田彦大神であったと『古事記』『日本書紀』は記録している。
この神の姿は、眼が大きくて強く輝き、鼻が高い人物であったという。
この容貌はいわゆる白人、アーリア系人種のものであり、現在も鹿児島県にはそうした顔立ちの人々が多い。
この記事から、昔の人々は猿田彦を天狗の面で表現してきた。
節分の鬼やらい追儺(ついな)の行事には、この神が行列の先頭に立つので御存知の方も多いと思う。
当時の先住民がどんな人々だったかは、天狗とは無関係な大人(おおびと)弥五郎の面もまた、顔赤く、眼大きく、鼻の高い顔立ちに作られることからも推測は難しくない。
天狗の面そのものルーツは、バリー島のマカーラだけでなく、同じくジャワのバンカランの面が、間違いなく天狗に最も近いデザインである。
こうしたものは中国にはないから、海を通って直接日本へ移住したと見るほかない。
また一方兕に代表される一本角に対する信仰も古く日本に入っていて、神社の歴史に等しい。
それは神社につきもののコマ犬がそれを証明している。
また北陸の一部では一本角をもった獅子頭となり、新年や祭礼の厄払いを受け持ってきた。
しかし仏教によって排斥されて一段低いものとされ、神格を失って鬼や魔物にされてしまった地方もある。
しかしいずれにしても、まだいき続けてはいる。
●ジャワ・バンカラン
●大人弥五郎の巨面
●烏型吊りランプ
●神棚用コマ犬と唐獅子
●一本角の鬼
●一本角の獅子頭
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
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