2010年3月15日月曜日

楽器のルーツ

出典:加治木義博
    日本人のルーツ
    保育社:カラーブックス

    <日本人のルーツ>-その探求の一方法-

本書では編集の都合上、三味線だけを見本にとりあげたが、実際には笛、大鼓、鼓、鈴、アイヌの人たちの口琴(ムックリ)なども、日本人のルーツを物語る大切な資料である。

こうしたものは腐りやすい材料でできているのと、日常生活の必需品ではなかったために数が少ないのとで、発掘考古学の対象としては無理である。

むしろ逆に、今も生き続けている地域まで出かけて行って、他のものの一致から、古代日本にも何と何があった可能性がある、と類推する以外にない。

それらの中にも奄美とカレンのクサビ太鼓のように、どちらも現存するもの同士出あうことがある。

カレンのクサビ太鼓は昔は銅鼓が主体で、太鼓はその予備だったという。

この銅鼓は1924年から、フランス人パジョ氏が、ベトナムのドンソン遺跡を発掘した際に発掘され、古代からの青銅器として学界の注目を集めたが、中国貴州省の苗族や雲南省の彜(い)族は今も全く同型の銅鼓を使い続けている。

家屋文鏡とつながりのある(33ページ)この楽器もまだ生きているのである。

<写真>

●現代の銅鼓 中国

『参考』

小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書

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