2010年3月20日土曜日

世界最大の謎に挑戦


 出典:加治木義博:言語復原史学会
    異説・日本古代国家
    ㈱田畑書店
    23~25頁
 「世界最大の謎」というと、

 人跡未踏のアマゾンの源流か、

 深海底にしかないように、

 漠然と想像する方もあると思うが、

 それは日本の『古事記』『日本書紀』である。

 アマゾンの奥にあるエル・ドラド(黄金境)は、

 インカ系の遺跡に間違いないし、

 もしそれが見つかったとしても、

 解ける謎といえば、

 その正確な位置ぐらいにすぎない。

 かつて巨大な謎を秘めていると想像されていた深海底も、

 ごく単純な構造と、

 産物をもった谷間に過ぎないことが明らかになっている。


 もしそこに未知の大怪物が居るかも知れないとしても、

 それは生物の種名を一つ加えるだけに止まる。

 古い生物が生き残っているかという問題も、

 シーラカンスが解決ずみである。

 シーラカンス時代以前に大怪物はいない。

 約1億5千万年の差がそれを証明するのである。

 そんな空想上の謎でなく、

 もっと高度の知的な謎といえば、

 かつてはエジプトの象形文字や、ホメロスの世界、

 近くはオリエントのヒッタイト象形文字がある。

 実在していながら、

 それを解読できないために、明らかにならないものの量。

 謎の大小は、それによってきめるほかない。

 「図:ヒッタイト象形文字」(加治木原図)

 これをカナと漢字と考えてみると解りやすいと思われる。

 すでに一部分は解りはじめ、

 日本語と同じ形の子音プラス母音からなる

 音節文字(=カナ文字など)であることは、

 つきとめられた。

 もしそこに未知の大怪物が居るかも知れないとしても、

 それは生物の種名を一つ加えるだけに止まる。

 古い生物が生き残っているかという問題も、

 シーラカンスが解決ずみである。

 シーラカンス時代以前に大怪物はいない。

 約1億5千万年の差がそれを証明するのである。

 そんな空想上の謎でなく、

 もっと高度の知的な謎といえば、

 かつてはエジプトの象形文字や、ホメロスの世界、

 近くはオリエントのヒッタイト象形文字がある。

 実在していながら、

 それを解読できないために、明らかにならないものの量。

 謎の大小は、それによってきめるほかない。

 「図:ヒッタイト象形文字」(加治木原図)

 これをカナと漢字と考えてみると解りやすいと思われる。

 すでに一部分は解りはじめ、

 日本語と同じ形の子音プラス母音からなる

 音節文字(=カナ文字など)であることは、

 つきとめられた。

 ロゼッタ石とシャンポリオン。

 トロイ城址とシュリーマン。

 こうした謎と、それを解いた本当の英雄たち。

 が、物語中の神々や英雄が、

 崇拝者を時と共に失って行くのに反して、

 いよいよ輝きを増して行くのは、

 永遠に消滅したかに見えたわれわれの祖先が、

 彼らの偉大な頭脳によって、

 よみがえり、語りかけ、教えてくれるからに他ならない。

 いま、その成果は5千年、7千年という

 古代にまで及んでいる。

 が、それにひきかえ日本の歴史は6世紀の倭の武王すら、

 雄略天皇ではなかろうかと想像しているだけであり、

 7世紀の聖徳太子の記事が疑われ、

 8世紀の『古事記』撰上さえもが事実でないことが

 証明されている。

 本文にはいれば証拠を御覧に入れるが、

 『古事記』と『日本書紀』に書かれたものが、

 どこからどこまで信じられるのか

 見当もつかなかったのである。

 天地のはじめから書き起して、

 天皇を中心に飛鳥時代までの歴史記事が

 詳しく書かれているように見える、

 この正史が、実は一字一句、

 すべて謎に包まれているのである。

 いまや再び世界の大国に数えられ、

 有数の教育普及国を誇る日本が、

 建国の状態も時も、人も場所も、まるでわからない。

 このままでいいわけはない。

 しかし、それだけのことであったら、

 この問題をとりあげない。

 いまの目的「推理力を身につける」という目的に、

 この謎ときが、ピッタリであることが、

 私にこの問題を選ばせたのである。

 なぜならこれまで誰も答えを知らなかったものでないと、

 本当に身が入らない。

 遊びになってしまうからである。

 また、やり方が正しかった、という証明にもならない。

 やり方をごま化して、

 答えを出したような顔をする恐れがあるからである。

 それに、これまで不可能と考えられたものであってこそ、

 やり甲斐も大きく、火のような情熱が生れるのである。

 さらに、

 それによって語られた答えが「正しい」と

 はっきり判定できることも必要である。

 未来に属することでは、その時が来てみないと、

 正しいと証明することは不可能である。

 その点、過去の謎は、必ず証明が見つかる。

 それができないようなら、努力して、

 こんな本を読む値打はない。

 誰が考えても、どこから見ても、

 押してもひいても狂わない答えが出せることが、

 あなたと私の条件なのだから。

『参考』

小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書


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