2010年3月7日日曜日

「信仰の知性化」神仏像の移り変わり方は


 出典:加治木義博
    日本人のルーツ
    保育社:カラーブックス

    <日本人のルーツ>-その探求の一方法-


右のように仏像と兕觥(じこう)をならべると、同じ一本角ではあっても、偶像に対する考え方の移り変わりがよくわかる。

殷の時代には異様な怪物が畏敬されていたが、14世紀のタイでは、柔和でしかも威厳のある円満な人格が尊ばれた。

<5>は唐末の造像で真言5祖の一人善無畏(ぜんむい)三蔵の像であるが、これは一層写実的で、異様なところはどこにもない。

<4>は現代の名工の作であるが、これの方が怪奇味をもっているのは、ネパールという国の保守性によるものであろうが、<2>はイスラム教徒によって顔面を削られたものである。

<写真>

●チェンセン仏(タイ:14世紀)

●兕觥(中国:殷時代)

1 磚仏(チベット)

2 磚仏(インド)

3 磚仏(ネパール)
4 福の神クーベーラ(ネパール)
ヒンドゥの神 で、日本の 金毘羅宮の本尊に当たる。

藤原不比等のフビラや
元のクビライの名はこの神名をとったもの。

5 善無畏三蔵像(中国)

『参考』

小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書

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