出典:加治木義博
日本人のルーツ
保育社:カラーブックス
<日本人のルーツ>-その探求の一方法-
天狗の鼻や神社の一本角のコマイヌのルーツをたどって行くと、マカーラという名のインドの怪物にたどりつく。
それは宗教上の仮空の動物で、本来はクジラのことであった。
クジラはガジャ(象)ミナ(海の)という別名があるため、一生海をみることのない内陸部の人々はゾウの鼻をもった魚を想い描いた。
これがマカーラである。<7>がゾウによく似ているのは原型に近いからで、タイでは大きなヒレと同時に足をもちはじめ、<6>のような獣型にまで発展する。
<1>のバリ島のものは背に二頭の竜神と鳥頭の神ガルーダを乗せているが、その顔は人間化し、鼻も天狗の鼻状に変化している。
しかし、マカーラの鼻が長いという伝統からはずれてはいない。
だが、やがてマカーラの鼻は一本の角と誤解されるようになり、別の方向へ発展しはじめる。
<8>の兕という怪獣ではどうみても角としかみえない。
●マカーラ
1 烏天狗と天狗に似たガルーダと
マカーラ(インドネシア・バリー島)
2 ラオス(14世紀)
3 タイ(19世紀)
4 タイ(14世紀)
5 タイ(14世紀)
6 タイ(20世紀)
7 インド(15世紀)
『参考』
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』:中公新書
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